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2025年11月11日火曜日

ミニクーパーE 納車1年の正直な感想(後編) — MINI COOPER E / BEVレビュー


こんにちは、EVおでかけです。納車からちょうど1年、総走行距離約13,000kmを走ったミニクーパーE(BEV)の率直な感想を後編としてまとめます。

日常で感じた航続距離の実際、荷室や収納の使い勝手、デジタルキーの便利さ、後席の取り回し、充電設備での実体験など、細かいポイントを忖度なくお伝えします。




  • 航続可能距離(実測)
  • 荷室サイズと積載の実際
  • 車内の収納事情
  • デジタルキープラス(スマホキー)の運用感
  • ワイパーとデジタルインナーミラー
  • 後部座席へのアクセスと注意点
  • カーテシライト(足元ライト)の魅力
  • 充電設備で感じた課題
  • まとめと総評


航続可能距離(実測)

過去1年間の実際のデータを平均すると、充電100%で約290km走れることがわかりました。ただし、目的地到着時に30km程度の余裕を見ておきたいので、実際に「安心して出かけられる距離」は約260km程度が目安です。

名古屋から出発する場合の目安範囲(片道260km想定)は、東は静岡・富士市、内陸は長野、北は金沢、南は三重・熊野あたり。

東京や大阪の都心発でも同様に片道で行ける範囲は限定的ですが、日帰り〜一泊の範囲では十分使えます。ただしガソリン車と比べるとおおよそ航続距離は半分程度だと考えるのが分かりやすいです。



荷室サイズと積載の実際

ミニクーパーのボディはコンパクトですが、後席を倒すと意外と広い荷室が確保できます。

小型の折りたたみ自転車(映像ではブロンプトン)を2台と車載用冷蔵庫を積んでも、まだバッグや買い物袋が載せられる余裕があります。折りたたみ自転車は高さと奥行きが約60cm、幅は1台で約35cmなので、2台並べて約70cm。他にも高さ方向の余裕があり、実用的です。



ちょっとしたキャンプや持ち込みバーベキュー、スーツケースを2つ積んでの数日旅行くらいなら特に不便は感じません。


車内の収納事情

正直に言うと、収納はほぼグローブボックス中心で、最近の国産車に比べると物足りません。ドアポケットはありますが、ステンレスボトルやペットボトルは横にしないと入らないサイズ感。センターコンソールや肘掛けボックスなどの実用的な収納はクーパーEにはほとんどありません。



輸入車だと発煙筒ホルダー等が用意されていないことが多く、簡易的なスポンジホルダーが付いていてさらに収納が減ります。

SEグレードについている可愛らしい収納ボックスですが、オプションでも良いのでEでも選べるようにしてほしいと感じました。仕方なく無印で買ったゴミ箱を黒く加工して代替収納として使っています。


デジタルキープラス(スマホキー)の運用感

iPhoneを使ったデジタルキープラスの運用は非常に快適です。車に近づくだけでロック解除、離れれば自動ロック、バッグやポケットに入れたままでもエンジン(電源)をオンにできるなど、日常のストレスが減ります。



普段は物理キーを持ち歩かず、スマホキーだけで運用しています。これまでトラブルは一度もありませんが、唯一の惜しい点は「右後ろの尻ポケット」に入れたままだと車の電源をオンにできないこと。どうやら車内でキーを検知するエリアより少し外れているようで、膝の上あたりまで移動させると検知してくれます。

念のためカードキーは携帯していますが、実際にカードキーに頼った場面は今のところありません。




ワイパーとデジタルインナーミラー

ミニクーパーにはリアワイパーが付いているので、市販のデジタルインナーミラーを後付けしてもリア映像が綺麗に表示されます。リアカメラを上側に配置すれば日差しで雨が当たりにくく、映像が見やすいですね。



一方でフロントのオートワイパーは個人的に相性が良くなく、タイミングが合わないことが多くてあまり使っていません(個人の感想です)。


後部座席へのアクセスと注意点

後席に乗り込むときは、前席の肩にあるループバンドを引っ張る「ワンアクション」でシートが前に倒れる設計です。ループの見た目は可愛いのですが、実際は引っ張る向きに癖があり、慣れるまでは重く感じることが多いです。運転席側と助手席側で引く腕の向きが変わるため、初見の人は操作に戸惑うことがあります。



代車で借りた一般的なガソリン車は樹脂の取っ手で軽く操作できたので、個人的には樹脂取っ手の方が使いやすかったと感じます。

また、後席の足元に紙袋やドリンクを置くと、前席を大きく下げたときに中のドリンクが飛び出す危険があるので注意が必要です。フラペチーノが飛びち~の。。。


カーテシライト(足元ライト)の魅力

夜間、駐車場に戻ったときに足元を照らすカーテシライトがカッコいいです。ドアを開けると地面を明るく照らしてくれるので暗い駐車場でも安心感があります。購入してから1年以上経ちますが、夜に帰ってくると今でも「いいな」と感じる装備です。




充電設備に関する実体験と課題

大型ショッピングモールなどに行くと、充電設備の場所が分かりにくいことがまだまだ多いと感じました。

立体駐車場に入ったものの充電設備の場所がわからず、警備員さんに教えてもらい一度出て別の入口から入り直す羽目に。後続車がいるとバックで戻れないため、結果的にぐるっと回って再入場する必要がありました。



充電インフラの案内表示や導線は、まだ改善の余地が大きいと感じます。


まとめと総評

ミニクーパーEはコンパクトながら積載の工夫次第で日帰りや数日旅行も対応できる懐の深さがあり、スマホキーの快適さや夜のカーテシライトなど日常の満足度は高いです。一方で運転支援機能が無い点や車内収納の少なさ、後席のアクセス性といった改善してほしい点もあります。

総合的にはMINIブランドのBEVとしておすすめできる一台ですが、用途や期待値によって評価は変わります。航続距離や収納を重視する人は試乗や実車確認を強くおすすめします。



最後に

ここまでお読みいただきありがとうございました。

実際に1年・13,000kmを乗って感じた「良いところ」「惜しいところ」を正直にまとめました。参考になれば嬉しいです。